ISBN:459214371X コミック 技来 静也 白泉社 2005/09/29 ¥530

2000年ほど前、ローマでの物語
セスタスは拳奴。
拳奴とは競技場で殴り合いを行う奴隷のこと。

最初のセスタスの所有者は酷薄な人間です。
拳奴養成所で何人も拳奴および拳奴の見習い(子供の拳奴)
を育てる傍ら、試合に負けた拳奴は殺してしまいます。
死にたくなければ、試合に勝てというプレッシャーです。
100勝したら、自由になることができます。
(つまり、無敗のまま、100連勝しないと死にます)

セスタスはまだ子供ですが、競技場で戦う場合、
容赦なく、大人との試合が組まれます。

普通の鍛え方をしていたら、大人と子供では勝てないどころか
試合にすらならないでしょう。

そこで、主人公セスタスが大人相手に勝ち続けるための方法が必要になります。
それは、セスタスの師匠、ザファルのもつ「現代のボクシング理論」です。

古代ローマの時代、拳闘のスタイルは、フットワークも何もなく、ベタ足でしっかりとたち、防御もおろそかなまま、
力の限り殴りあうというシンプルなスタイルでした。
ザファル師匠はフットワークや防御のテクニックをセスタスに練習させます。

体の小さなセスタスはテクニックとスピードで辛くも大人との試合に
勝利し続けます。

そのボクシング理論を考えたのはだれ?という疑問がわきますが
なんか、それもそのうちに物語内で語られそうです。

この漫画の見所はいくつかあります。
・体の小さな拳奴であるセスタスがどうやって強敵に勝つのかという
 「柔よく剛を制す」的な展開への期待
・物語中に出てくるライバルの親子(拳闘ではなく、パンクラティオンで戦う)
 に勝てるのか?(ボクシングはその他の格闘技に勝てるのか?)という興味
・ローマの歴史をなぞっているらしく、勉強になる。
・師匠の言葉に含蓄があり、熱い。

師匠の言葉は一見の価値ありです。
カイジにでてくる、大人が話す、「現実の残酷さに目覚めさせる」ような
セリフとは違い、あくまでも前向きな、熱い言葉で弟子を薫陶しつづけます。

師匠の叱咤激励を聞いていると、修行をしなければいけない気分になります。

前向きにならなければならないことが理解できているのに
前向きな気分になれないときに、読むとよいでしょう。

同じ雑誌のベルセルク、ホーリーランドと同じくらいすきなのですが、
ドラマ化、アニメ化の話は聞きません。

なお、技来先生はペン奴というあだ名が2ちゃんでつけられています。
詳細は説明しませんが

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